Azure Machine Learning のコスト見積もりについて

  1. 1. コスト見積もり例について
    1. 1.1. コンピューティング インスタンス
    2. 1.2. コンピューティング クラスター
    3. 1.3. 推論クラスター (Azure Kubernetes Service, AKS)
    4. 1.4. Azure Container Instance (ACI)
  2. 2. 見積もりが難しいコストについて
  3. 3. サブ リソースについて
  4. 4. ワークスペース削除
  5. 5. サービスの価格に関する問い合わせ
  6. 6. 見積もりの依頼について

Azure Machine Learning のコスト見積もりについて、参考となる情報を紹介します。



本記事では具体的なコストの見積もり例を紹介します。
コストの管理に関する基本的な考え方は、下記サイトの内容を参照ください。


コスト見積もり例について

Azure Machine Learning のワークスペース自体には課金は発生しません。ワークスペースで作成したリソースに課金が発生します。

例えば、開発環境として使用する Azure Machine Learning コンピューティング インスタンスや、トレーニングの実行環境として使用する Azure Machine Learning コンピューティング クラスターは、稼働時間分が課金対象となります。また、作成したモデルをデプロイした場合、デプロイ先のサービスについても比較的大きな課金が発生します。参考に見積もり例を後述に紹介します。

※ ご利用方法によって試算より誤差が生じる場合がありますので、予めご留意ください。

コンピューティング インスタンス

開発環境として Azure Machine Learning コンピューティング インスタンス (東日本リージョン、STANDARD_DS3_V2) を 1 日 10 時間起動し、30 日間使用する場合の月額

注意
VM としての料金に加えて、下記 3 つのサービスに対して課金が発生いたします。これらの課金はコンピューティング インスタンスを停止していても継続されます。これらのサブ リソースが作成される理由については、”サブ リソースについて” セクションをご参照ください。

例 (東日本リージョン):

  • スタンダード ロード バランサー (約 2.8 [円/時間])
  • スタンダード (静的) パブリック IP アドレス (約 0.56 [円/時間])
  • マネージド ディスク p10 (約 2,539.04 [円/月]
    ※ 30 [日/月] の場合、約 3.5264 [円/時間], 31 [日/月] の場合、約 3.4127 [円/時間])

参考: Azure Machine Learning コンピューティング インスタンスを作成して管理する

コンピューティング インスタンスを停止すると、コンピューティング時間の課金は停止しますが、ディスク、パブリック IP、および Standard Load Balancer に対しては引き続き課金されます。

(VM)
45.808 [円/時間] x 10 [時間/日] x 30 [日] = 13742.4 [円]

(関連サービス ※ 30 [日/月] の場合)
(2.8 + 0.56 + 3.5264 [円/時間]) x 24 [時間/日] x 30 [日] = 4958.208 [円]

→ 合計 13742.4 + 4958.208 = 18700.608 [円]

コンピューティング クラスター

トレーニング ターゲットとして Azure Machine Learning コンピューティング クラスター (東日本リージョン、STANDARD_DS3_V2) を最小 0 ノード、最大 2 ノードで作成し、2 ノードで 1 日 4 時間、30 日間使用する場合の月額

注意:
VM としての料金に加えて、下記 3 つのサービスに対して課金が発生いたします。環境情報を維持しないといけないコンピューティング インスタンスとは異なり、停止している場合 (起動しているノード数が 0 の場合) には割り当てが完全に解除されるため、課金は停止します。これらのサブ リソースが作成される理由については、”サブ リソースについて” セクションをご参照ください。

例 (東日本リージョン):

  • スタンダード ロード バランサー (約 2.8 [円/時間])
  • スタンダード (静的) パブリック IP アドレス (約 0.56 [円/時間])
  • マネージド ディスク p10 (約 2,539.04 [円/月]
    ※ 30 [日/月] の場合、約 3.5264 [円/時間], 31 [日/月] の場合、約 3.4127 [円/時間])

(VM)
45.808 [円/時間/ノード] x 2 [ノード] x 4 [時間/日] x 30 [日] = 10993.92 [円]

(関連サービス ※ 30 [日/月] の場合)
(2.8 + 0.56 + 3.5264 [円/時間]) x 4 [時間/日] x 30 [日] = 826.368 [円]

→ 合計 10993.92 + 826.368 = 11820.288 [円]

推論クラスター (Azure Kubernetes Service, AKS)

推論用クラスターとして Azure Kubernetes Service の仮想マシン (東日本リージョン、STANDARD_DS12_V2) を 3 ノードで作成し、30 日間使用する場合の月額

注意:
コア数合計を 12 以上で作成する必要があります。

51.408 [円/時間/ノード] x 3 [ノード] x 24 [時間/日] x 30 [日] = 111041.28 [円]

Azure Container Instance (ACI)

モデルを Azure Container Instance (vCPU 1、メモリ 1 GiB) にデプロイし、30 日間使用する場合の月額

注意:
Azure Machine Learning で ACI にモデルをデプロイする場合、指定したコンテナーに加えて azureml-fe-aci (それぞれ vCPU 0.1、メモリ 0.5 GiB) が作成されます。また、vCPU は小数点第一位で切り上げされて計上されます。また、メモリは小数点第二位で切り上げされて計上されます。

(vCPU)
0.0015743 [円/秒/vCPU] x 2 [vCPU] x 3600 [秒/時間] x 24 [時間/日] = 272.03904 [円/日]
272.03904 [円/日] x 30 [日] = 8161.1712 [円]

(メモリ)
0.0001721 [円/秒/GiB] x 1.5 [Gib] x 3600 [秒/時間] x 24 [時間/日] = 22.30416 [円/日]
22.30416 [円/日] x 30 [日] = 669.1248 [円]

→ 合計 8161.1712 + 669.1248 = 8830.296 [円]


見積もりが難しいコストについて

上記に加えて以下リソースの課金が発生いたします。これらはご利用方法によって金額が大きく異なりますため、試算を含めた見積もりを例示することができません。一般的に上述の料金と比較して数パーセント程度の小さい金額となりますため、一定期間ご利用いただいた後、実際の課金額を基に見積もることをお勧めします。

また、ワークスペースやストレージ等を仮想ネットワークに配置する場合、パブリック エンドポイントやプライベート DNS ゾーン、ロード バランサーの料金が追加で発生いたします。固定でかかる費用となりますので、こちらも一定期間ご利用いただい後、実際の課金額を基に見積もることをお勧めします。


サブ リソースについて

コンピューティング インスタンスおよびコンピューティング クラスターを作成すると、VM の料金に加えてネットワークに関連したリソースが併せて作成されます。これらは作成されたノードとの通信を維持するために使用され、課金の対象になります。

参考: サブ リソース

これらのサブ リソースは、AML ワークスペースで作成される主要なリソースです。

  • VM: AML ワークスペースのコンピューティング能力を提供します。モデルのデプロイとトレーニングに不可欠な要素です。
  • ロード バランサー: コンピューティング インスタンスおよびクラスターが停止している場合でもトラフィックを管理するために、コンピューティング インスタンスとコンピューティング クラスターごとにネットワーク ロード バランサーが作成されます。
  • 仮想ネットワーク: これらは、Azure リソースが互いに通信したり、インターネットやその他のオンプレミス ネットワークと通信したりするために役立ちます。
  • 帯域幅: リージョン間のすべてのアウトバウンド データ転送をカプセル化します。

参考: リソースの削除前にコストが発生する可能性がある

Azure portal 内で、または Azure CLI を使用して Azure Machine Learning ワークスペースを削除する前、ワークスペース内でアクティブに作業していない場合でも、次のサブ リソースは一般的なコストとして蓄積されます。 後でご自身の Azure Machine Learning ワークスペースに戻る予定がある場合、これらのリソースには引き続きコストが発生する可能性があります。

  • VM
  • Load Balancer
  • Virtual Network
  • 帯域幅

VM はそれぞれ、実行している時間ごとに課金されます。 コストは VM の仕様によって異なります。 実行中であっても、データセットに対してアクティブに動作していない VM については、ロード バランサー経由で課金されます。 コンピューティング インスタンスごとに、1 日あたり 1 つのロード バランサーに対して請求が発生します。 コンピューティング クラスターの 50 ノードごとに、1 つの Standard ロード バランサーが課金されます。 ロード バランサーあたりの課金額は 1 日あたり約 0.33 ドルです。 停止しているコンピューティング インスタンスとコンピューティング クラスターに対してロード バランサーのコストが発生するのを回避するには、コンピューティング リソースを削除します。 サブスクリプションごと、およびリージョンごとに 1 つの仮想ネットワークが課金されます。 仮想ネットワークは、複数のリージョンまたはサブスクリプションにまたがることはできません。 vNet 設定内でプライベート エンドポイントを設定しても、料金が発生することがあります。 帯域幅は使用量に基づいて課金されます。転送データが多いほど、料金は高くなります。


ワークスペース削除

Azure ポータルまたは Azure CLI で Azure Machine Learning ワークスペースを削除した後も、次のリソースは引き続き存在します。これらは削除されるまでコストが発生し続けます。

  • Azure Container Registry
  • Azure Storage Account
  • Key Vault
  • Application Insights

これらのリソースと共にワークスペースを削除するには、SDK を使用します。

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ws.delete(delete_dependent_resources=True)

ワークスペースに Azure Kubernetes Service (AKS) を作成する場合、またはワークスペースにコンピューティング リソースをアタッチする場合は、Azure ポータルで個別に削除する必要があります。


サービスの価格に関する問い合わせ

各サービスの価格に関するご質問 (Azure Machine Learning で発生する費用の内訳を知りたい、または発生したコストがどのリソースで消費しているか、など) は、弊社課金サポートで承っております。以下の画像を参考に、サポート リクエストを発行いただきお問い合わせください。



見積もりの依頼について

貴社ご利用方法における見積もりの回答が必要な場合、営業担当のタスクとして対応させていただいております。下記サイトを参考によりご依頼ください。


変更履歴
2020/06/18 created by Mochizuki
2020/11/12 modified by Mochizuki
2020/11/18 modified by Mochizuki
2020/11/27 modified by Mochizuki
2021/05/26 modified by Mochizuki
2021/06/07 modified by Mochizuki
2021/07/20 modified by Mochizuki
2021/07/28 modified by Mochizuki
2021/10/15 modified by Mochizuki

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