Azure Machine Learning のコスト見積もりについて、参考となる情報を紹介します。
本記事では具体的なコストの見積もり例を紹介します。
コストの管理に関する基本的な考え方は、下記サイトの内容を参照ください。
コスト見積もり例について
Azure Machine Learning のワークスペース自体には課金は発生しません。ワークスペースで作成したリソースに課金が発生します。
例えば、開発環境として使用する Azure Machine Learning コンピューティング インスタンスや、トレーニングの実行環境として使用する Azure Machine Learning コンピューティング クラスターは、稼働時間分が課金対象となります。また、作成したモデルをデプロイした場合、デプロイ先のサービスについても比較的大きな課金が発生します。参考に見積もり例を後述に紹介します。
※ ご利用方法によって試算より誤差が生じる場合がありますので、予めご留意ください。
コンピューティング インスタンス
開発環境として Azure Machine Learning コンピューティング インスタンス (東日本リージョン、STANDARD_DS3_V2) を 1 日 10 時間起動し、30 日間使用する場合の月額
注意
VM としての料金に加えて、下記 3 つのサービスに対して課金が発生いたします。これらの課金はコンピューティング インスタンスを停止していても継続されます。これらのサブ リソースが作成される理由については、”サブ リソースについて” セクションをご参照ください。
例 (東日本リージョン):
- スタンダード ロード バランサー (約 2.8 [円/時間])
- スタンダード (静的) パブリック IP アドレス (約 0.56 [円/時間])
- マネージド ディスク p10 (約 2,539.04 [円/月]
※ 30 [日/月] の場合、約 3.5264 [円/時間], 31 [日/月] の場合、約 3.4127 [円/時間])
参考: Azure Machine Learning コンピューティング インスタンスを作成して管理する
コンピューティング インスタンスを停止すると、コンピューティング時間の課金は停止しますが、ディスク、パブリック IP、および Standard Load Balancer に対しては引き続き課金されます。
(VM)45.808 [円/時間] x 10 [時間/日] x 30 [日] = 13742.4 [円]
(関連サービス ※ 30 [日/月] の場合)(2.8 + 0.56 + 3.5264 [円/時間]) x 24 [時間/日] x 30 [日] = 4958.208 [円]
→ 合計 13742.4 + 4958.208 = 18700.608 [円]
- 参考サイト
サポートされている VM シリーズおよびサイズ
Azure Machine Learning の価格
負荷分散 の価格
IP アドレス の価格
Managed Disks の価格
料金計算ツール (+Azure Machine Learning)
Linux Virtual Machines の料金
コンピューティング クラスター
トレーニング ターゲットとして Azure Machine Learning コンピューティング クラスター (東日本リージョン、STANDARD_DS3_V2) を最小 0 ノード、最大 2 ノードで作成し、2 ノードで 1 日 4 時間、30 日間使用する場合の月額
注意:
VM としての料金に加えて、下記 3 つのサービスに対して課金が発生いたします。環境情報を維持しないといけないコンピューティング インスタンスとは異なり、停止している場合 (起動しているノード数が 0 の場合) には割り当てが完全に解除されるため、課金は停止します。これらのサブ リソースが作成される理由については、”サブ リソースについて” セクションをご参照ください。
例 (東日本リージョン):
- スタンダード ロード バランサー (約 2.8 [円/時間])
- スタンダード (静的) パブリック IP アドレス (約 0.56 [円/時間])
- マネージド ディスク p10 (約 2,539.04 [円/月]
※ 30 [日/月] の場合、約 3.5264 [円/時間], 31 [日/月] の場合、約 3.4127 [円/時間])
(VM)45.808 [円/時間/ノード] x 2 [ノード] x 4 [時間/日] x 30 [日] = 10993.92 [円]
(関連サービス ※ 30 [日/月] の場合)(2.8 + 0.56 + 3.5264 [円/時間]) x 4 [時間/日] x 30 [日] = 826.368 [円]
→ 合計 10993.92 + 826.368 = 11820.288 [円]
- 参考サイト
サポートされている VM シリーズおよびサイズ
Azure Machine Learning の価格
Batch の価格
負荷分散 の価格
IP アドレス の価格
Managed Disks の価格
料金計算ツール (+Azure Machine Learning)
Linux Virtual Machines の料金
推論クラスター (Azure Kubernetes Service, AKS)
推論用クラスターとして Azure Kubernetes Service の仮想マシン (東日本リージョン、STANDARD_DS12_V2) を 3 ノードで作成し、30 日間使用する場合の月額
注意:
コア数合計を 12 以上で作成する必要があります。
→ 51.408 [円/時間/ノード] x 3 [ノード] x 24 [時間/日] x 30 [日] = 111041.28 [円]
- 参考サイト
Azure Kubernetes Service (AKS) の価格
料金計算ツール (+Azure Kubernetes Service)
Linux Virtual Machines の料金
Azure Container Instance (ACI)
モデルを Azure Container Instance (vCPU 1、メモリ 1 GiB) にデプロイし、30 日間使用する場合の月額
注意:
Azure Machine Learning で ACI にモデルをデプロイする場合、指定したコンテナーに加えて azureml-fe-aci (それぞれ vCPU 0.1、メモリ 0.5 GiB) が作成されます。また、vCPU は小数点第一位で切り上げされて計上されます。また、メモリは小数点第二位で切り上げされて計上されます。
(vCPU)0.0015743 [円/秒/vCPU] x 2 [vCPU] x 3600 [秒/時間] x 24 [時間/日] = 272.03904 [円/日]
272.03904 [円/日] x 30 [日] = 8161.1712 [円]
(メモリ)0.0001721 [円/秒/GiB] x 1.5 [Gib] x 3600 [秒/時間] x 24 [時間/日] = 22.30416 [円/日]
22.30416 [円/日] x 30 [日] = 669.1248 [円]
→ 合計 8161.1712 + 669.1248 = 8830.296 [円]
見積もりが難しいコストについて
上記に加えて以下リソースの課金が発生いたします。これらはご利用方法によって金額が大きく異なりますため、試算を含めた見積もりを例示することができません。一般的に上述の料金と比較して数パーセント程度の小さい金額となりますため、一定期間ご利用いただいた後、実際の課金額を基に見積もることをお勧めします。
また、ワークスペースやストレージ等を仮想ネットワークに配置する場合、パブリック エンドポイントやプライベート DNS ゾーン、ロード バランサーの料金が追加で発生いたします。固定でかかる費用となりますので、こちらも一定期間ご利用いただい後、実際の課金額を基に見積もることをお勧めします。
サブ リソースについて
コンピューティング インスタンスおよびコンピューティング クラスターを作成すると、VM の料金に加えてネットワークに関連したリソースが併せて作成されます。これらは作成されたノードとの通信を維持するために使用され、課金の対象になります。
参考: サブ リソース
これらのサブ リソースは、AML ワークスペースで作成される主要なリソースです。
- VM: AML ワークスペースのコンピューティング能力を提供します。モデルのデプロイとトレーニングに不可欠な要素です。
- ロード バランサー: コンピューティング インスタンスおよびクラスターが停止している場合でもトラフィックを管理するために、コンピューティング インスタンスとコンピューティング クラスターごとにネットワーク ロード バランサーが作成されます。
- 仮想ネットワーク: これらは、Azure リソースが互いに通信したり、インターネットやその他のオンプレミス ネットワークと通信したりするために役立ちます。
- 帯域幅: リージョン間のすべてのアウトバウンド データ転送をカプセル化します。
Azure portal 内で、または Azure CLI を使用して Azure Machine Learning ワークスペースを削除する前、ワークスペース内でアクティブに作業していない場合でも、次のサブ リソースは一般的なコストとして蓄積されます。 後でご自身の Azure Machine Learning ワークスペースに戻る予定がある場合、これらのリソースには引き続きコストが発生する可能性があります。
- VM
- Load Balancer
- Virtual Network
- 帯域幅
VM はそれぞれ、実行している時間ごとに課金されます。 コストは VM の仕様によって異なります。 実行中であっても、データセットに対してアクティブに動作していない VM については、ロード バランサー経由で課金されます。 コンピューティング インスタンスごとに、1 日あたり 1 つのロード バランサーに対して請求が発生します。 コンピューティング クラスターの 50 ノードごとに、1 つの Standard ロード バランサーが課金されます。 ロード バランサーあたりの課金額は 1 日あたり約 0.33 ドルです。 停止しているコンピューティング インスタンスとコンピューティング クラスターに対してロード バランサーのコストが発生するのを回避するには、コンピューティング リソースを削除します。 サブスクリプションごと、およびリージョンごとに 1 つの仮想ネットワークが課金されます。 仮想ネットワークは、複数のリージョンまたはサブスクリプションにまたがることはできません。 vNet 設定内でプライベート エンドポイントを設定しても、料金が発生することがあります。 帯域幅は使用量に基づいて課金されます。転送データが多いほど、料金は高くなります。
ワークスペース削除
Azure ポータルまたは Azure CLI で Azure Machine Learning ワークスペースを削除した後も、次のリソースは引き続き存在します。これらは削除されるまでコストが発生し続けます。
- Azure Container Registry
- Azure Storage Account
- Key Vault
- Application Insights
これらのリソースと共にワークスペースを削除するには、SDK を使用します。
1 | ws.delete(delete_dependent_resources=True) |
ワークスペースに Azure Kubernetes Service (AKS) を作成する場合、またはワークスペースにコンピューティング リソースをアタッチする場合は、Azure ポータルで個別に削除する必要があります。
サービスの価格に関する問い合わせ
各サービスの価格に関するご質問 (Azure Machine Learning で発生する費用の内訳を知りたい、または発生したコストがどのリソースで消費しているか、など) は、弊社課金サポートで承っております。以下の画像を参考に、サポート リクエストを発行いただきお問い合わせください。
見積もりの依頼について
貴社ご利用方法における見積もりの回答が必要な場合、営業担当のタスクとして対応させていただいております。下記サイトを参考によりご依頼ください。
変更履歴
2020/06/18 created by Mochizuki
2020/11/12 modified by Mochizuki
2020/11/18 modified by Mochizuki
2020/11/27 modified by Mochizuki
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2021/06/07 modified by Mochizuki
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2021/07/28 modified by Mochizuki
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